部屋が寒い

だいたい寝ています 起きている間のことを書く

冬寒すぎ

最近、長い充電ケーブルをなくしたので、充電中の携帯がベッドに届かなくなった。20%くらいになるのを待って、冷え切った携帯をのそのそ取りに行き、毛布の中に潜り込むと画面が結露する。部屋の中どころではなく寝床にまで冬が来た。数日前までは裸足にサンダルで銭湯まで行って帰ってくることもできたのに、信じられないくらい冷え込んできて、肩をすくめて喫煙所でタバコを吸うあいだ、吐く息が白いのか、肺に残った煙が白いのかわからなくなる。

どの季節の私も洗濯は苦手で、布きれの山の中に何足の靴下が埋まっているのかすらわからない。さすがに裸足で動き回るのはつらくなってきて、祖母から送られてきた「衣類」と記されている段ボールを漁ると運良く1足見つかった。紺色でアーガイル柄の、コンビニで見たことのあるやつ。母から届いた荷物にも「食品、衣類」と書いてあった気がして、同じように期待してみるが、足首までの着圧スパッツしか入っていなかった。そういえば、ふくらはぎのむくみをはっきりと実感したことがない。(顔まわりのそれには敏感なのに。)むくんでいるとか以前に、ぽちゃぽちゃしていて柔らかすぎるから。バレエを続けていた頃にくらべると、特に膝より下はずいぶんだらしない形になった。ドゥミ・ポアントで生活しようかな。

なぜ「つま先立ち」と言わずにわざわざバレエ用語を持ち出したのかというと、バレリーナが「つま先立ち」をすると聞くと、トウシューズを履いて爪の先に体重をかける動作がイメージされるのでは、と考えたから。そういうのはポアントといって、いわゆる 「背伸び」、指全体に体重をかける形のやつはドゥミ・ポアントといいます。ただ、背伸びをして生活する、と表現するのもなんとなく嫌だ。私の生活の形に、あまりにもそぐわない。さっき自分で自分のことをバレリーナと称してしまったことに気がついて少し恥ずかしい。バレエ経験者と名乗るのはもっと恥ずかしい。バレエを習っている子、だった頃のことを思い出すのは楽しいかもしれない。寒い季節は足の指が全部しもやけになって痛かったな、とか、つま先とかかとに穴が空いた形のレッグウォーマーを履いていたな、とか、冬といえば『くるみ割り人形』だな、とか。

くるみ割り人形』の主人公はクララといって、バレエ雑誌の名前にもなっているのだが、物語の主人公であるクララと、彼女が夢の世界で出会う金平糖の精という理想の女性、その2役は同じダンサーによって演じられることが多々ある。私だって空想好きの少女だったというのに、そんなすてきな構成の舞台は夢見たことがない。ただ甘い夢を見るのにも才能が必要らしい。ちなみに日本では金平糖の精と訳されている彼女は、本来はドラジェという砂糖菓子の妖精だ。父の職場の近くにエメ・ル・シャットリーという洋菓子店があるのだが、なにかしらの用で菓子折を買うときなどに、ねだると時々買ってもらえたおいしいもの、あれの妖精だったのかと今Wikipediaを読んで知った。懐かしい気持ち。これを読んでドラジェを画像検索するよりもバレエを見てほしいので、ちょっと気になりそうなことを書くとするか。金平糖の精のヴァリエーションってハリー・ポッターの映画で流れてそうな曲だな、と聴くたび思います。

いつのまにか今年もあと2週間、どんどんクリスマスが近づいてくるので、特に何か予定があるわけでもないのに私はとても浮き足立っている。クリスマスといえば明後日、参加しているアドベントカレンダーに2つ目の記事を投稿する予定があるのに、また文章を書く体力を消費してしまった。本当にめちゃくちゃ浮き足立っているので。今の私はとにかく誰かに贈り物をしたくて仕方ない。弟の欲しいものはわからないし、友人に突然ものをあげると気を遣わせるし、恋人もいない。あ、私が先に貰えば心置きなくお返しができるのか、と今気がついた。みなさんへ、素敵なプレゼントをお待ちしています。