部屋が寒い

だいたい寝ています 起きている間のことを書く

無題

スーパーの冷凍食品売り場で冷えた空気を吸い込むのが好きだ。冬の冷たい風に顔をさらしながら自転車で帰る夜、鼻をすすると、絆創膏みたいな匂いがした。これが冬の匂いなのだろうか、そもそも今まで"冬の匂い"を意識したことがあったかどうかわからない。

最近買った目薬は、幼い頃しもやけの指にすり込んでいたユースキンに似た匂いがする。ある年の冬、ひどく腫れてしまった右手の小指は、春になっても、ついに次の冬が来たあとも、元どおりにならなかった。今はもうしもやけはできないが、まだその指にとどまっているしこりをつねると、特有の痛みがある。

冷え性は治っていないので、指先はすぐに冷たくなるが、それ自体は嫌いではない。指が短くて、爪の形も気に入らない、私の手のなかで唯一気に入っているところは温度かもしれない、というくらい。普通の温かさになっていると気持ち悪くて、机の脚や冷たい壁を触ってしまう。手袋や首もとがつまった服や、家で靴下を履くのも好きじゃないし、暖房も苦手で、ストーブとこたつと羽毛布団が好き。早く帰って寝たくなってきた。私の部屋は北向きで、すごく寒い。